井上郁夫

 合資会社マネジメント・ブレイン・アソシエイツの井上です。
 大学卒業後は中学校の先生をしたり、学習塾に勤めたりと教育畑一筋のキャリアを歩んできました。
そのキャリアの中でティーチング技術を学んできたのですが、それだけでは解決できない教育現場での課題にぶつかり、30代後半からコーチングやNLP、アドラー心理学などの研修や勉強会に積極的に参加するようになり、知見の幅を広げようと努めてきました。
 現在は、主に研修講師として、学校の先生方向けの研修、校長先生をはじめとした管理職の先生方向けの研修、保護者の方々向けの子育て講演会、また学習塾の先生方に向けたセミナーなどでお話をしています。

今日は、ちょっぴり子育てのヒントをお伝えします。
お子さんが勉強していたり、お手伝いをしたりした時、皆さんは、どんなふうに声をかけますか。

「なんてめずらしいこと。明日、雪が降るかもしれないわね!」・・・なんて皮肉っぽい言い方は避けた方が良いかもしれませんね。

近頃では、子育ての入門書などで、お子様を褒めるの大切さが広く浸透しているので、この文を読んで下さっている方々も「やっぱり褒めなきゃ」と思われた方が多いでしょう。

それでは、
「自分から勉強するなんて、あなたは、えらい子ね」
「お手伝いできるなんて、あなたは、本当にいい子ね」

と、褒めてあげれば、それでいいのでしょうか。

私は、親が子を褒める視点には、二通りがあると思います。

一つは、上記のコメント例のように、人格に焦点を当てる場合です。
「えらい子」だったり、「いい子ね」といった表現です。
このように人格に焦点をあてて褒める場合は注意点があります。一つは、褒める回数が減ったりすると、自分への親の評価が低くなったと感じてしまう子どもがいる点。また、他の子が高い評価を受けていたりすると、 ひがんだりすねたりして、結果的に適切な行動を手放すことがあるという点です。

 次のもう一つの褒める視点は、行動に焦点を当てる方法です。
たとえば
「自分から勉強ができるようになって嬉しいわ」
「お手伝いしてくれて、本当に助かるわ」

といった褒め方です。

 子どもにとってみれば、 「自分への評価」を言葉にしてもらったわけではなく、「相手(お母さん)が勝手に喜んでいる」だけなのですが、実は、この方がお母さんに喜んでもらえることに満足して、子どもの適切な行動が続く場合が多いのです。

 ただ、思春期のお子さんでは、お母さんに「偉いわ」「うれしいわ」なんて言われると、恥ずかしさを手伝って、素直に受け止められないかもしれません。中学生の男子なら、「うるさいな!」とか「静かにして!」なんて返してくるかもしれませんね。

そんな時は、ニコニコ笑顔で「勉強しているんだ・・・」とか「手伝ってくれてありがとう」と、あっさり伝えるといいでしょう。褒めるというより、お子さんの行動をそのまま言葉に表現するだけで、お母さんの気持ちは伝わるのです。

 褒めるという行動にも、色々な褒め方があります。

 ここでは、「承認」の仕方を「人格」にフォーカスした褒め方と「行動」にフォーカスした褒め方に分けて考えてみました。

 子どもを褒める時、子どもの行動に焦点を当ててさりげなく「承認」する方法をぜひ、お試しください。