中土井鉄信
先日、コンサルティングをしている顧問先の学習塾の室長会議・研修で、こんな話をしてきました。結果の出ない若い室長に、行動のアドバイスをした後に、「夢に仕事のことが出るくらい仕事のことを考えよ!」と伝えました。
私は、不幸にも若い頃に誰かから仕事を教えてもらうということがありませんでした。先輩の行動を見て盗み、試行錯誤をして学び、そして、考えて仕事の流儀を作ってきました。その結果失敗も多くありましたが、色々なことを学びました。その途中で、様々な夢を見、夜中に何回も起きました。夢にうなされていたのです。そうやって成長をしてきました。
人間が、成長するためには、とことん自分で考えることが必要なのです。仕事が夢に出てきちゃうくらい仕事について考えることが大切なのです。しかし、そういう基礎を作るためには、考える枠組みを示した方が良いと思って、私自身の3回目の職場になった神奈川県の大手学習塾では、人事研修を初任者・中堅社員・室長養成・室長に分けて構築し、その講師を自分で行いました。年間、30回以上は、研修をしたはずです。
この時の経験が、今の講演会やセミナーに活きています。私どものセミナーの資料は、多分、他のセミナーよりは、親切な作りになっていると思いますが、皆さんどうでしょうか。これもその時に経験した成果だと思っています。
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さて、3社目の転職先である大手学習塾で人事研修を初任者・中堅社員・室長養成・室長に分けて構築し、実施したお話をしました。性格からでしょうか、実は、この会社に入社してすぐに、国語の教科研修会で、研修の在り方と研修内容について異議を私は申し立てました。
30~40名の社員がいる中で、入社1週間のそこいらの若造(29歳直前)が、本部の幹部職員に反抗的な発言をします。当然、幹部からは白い目で見られ、本部ではほとんど無視をされるようになってしまいます。
今から思えば、大人げない発言だったなと思いますが、その当時は、血の気が世界でも有数の多さだったので、致し方ありません。そんな影響で、室長になるのが遅れ、入社3年目の春に室長になります。その当時28校舎あった中で、万年ビリの校舎の室長になったのですが、赴任3か月で驚異的な実績を出し、9月からは、運営部長補佐に抜擢され、現場と本部を兼任するようになります。
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まず私が考えたのが、階層別の研修の企画です。研修の体系を考える時に、現場の指針となる室長管理マニュアルを作ることが、大切なことだろうと考え、11月には、室長管理マニュアルを完成させ(「管理マニュアル」という言葉は、室長を中土井が管理する感じがするという理由で、「室長マネジメントマニュアル」と名称は変えられました)、翌年から階層別の研修をスタートさせました。
どういう段階で、社員が研修を受ければ、現場の室長として力を発揮するのかを考えたのです。初任者研修では、このレベルまで、中堅社員研修ではこのレベルまで、室長養成研修では、このレベルまで、室長研修では、マニュアルに即して、実際的なケーススタディを行うと決めたのです。
研修を設計するということは、段階ごとのテーマが決まっていて、そのテーマが上層で有機的につながっていることが重要なことだと思ったからです。
階層別研修で私がやった研修は、考える枠組みを教え、各自の段階に応じたスキルを学んでもらって、現場でやる気になってもらうことでした。
ですから、場面場面で使えるスキルの習得と、場面場面が意味する仕事上の重要ポイントを伝えました。教育とは、意味を生徒に伝えていくことだと思いますが、その意味を徹底的に研修で伝えていったのです。意味が、明確にわかっている方が、やる気が大きくなるのです。やる気とは、スキル×可能性とも言われています。
課題に対処するやり方・解決するスキルを教え、その行動の意味を教え、そして、研修参加者のセルフ・エスティームを上げて、やる気を引き出そうと考えたのです。
階層別の研修には、串刺しにしている柱=室長マネジメントマニュアルがあるので、結局は、どの階層も同じ考え方、スキルがレベルの差はあれ身につくことになっていくのです。ですから、問題は、研修参加者が、研修に参加した後にやる気になってくれるかどうかです。研修参加者の心に火を点けることが出来るかどうかなのです。
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皆さんの塾では、どのくらいの頻度で、研修を行っていますか。毎週のように研修を行っている塾もあるかもしれませんが、私の考えで言えば、それは必要ないかもしれません。
私も、ある時は、1週間連続で研修をしたということもありましたが、一番有効な研修は、現場でどう考えて動くかなのです。現場でやる気になって仕事をしてもらえれば、研修の大きな目的は達成されるのです。そのために、どういう段取りで、研修をするのかをぜひ考えてみてほしいのです。
さあ、子どもたちのため、保護者のため社員の心に火を点ける研修を行っていきましょう。




